アニメ『チェンソーマン』はなぜ失敗したのか？ 原作ファンとアニメファンの溝が深まる理由
こんにちは。今回は、2022年10月から放送されていたアニメ『チェンソーマン』について、私なりの考察を書いてみたいと思います。
このアニメは、藤本タツキさんの同名の漫画を原作としており、人間と悪魔が共存する世界で、自分の体にチェーンソーの悪魔を宿した少年デンジの活躍を描いています。
原作は集英社の『週刊少年ジャンプ』で連載され、累計発行部数は2000万部を突破する大ヒット作品です。
しかし、このアニメは放送開始から批判が絶えない状況にあります。
特に原作ファンからは、声優の演技の勢い不足や、演出や構図の違和感など、様々な不満が挙げられています。
一方で、アニメファンや原作未読者からは、作画や音楽、ストーリーなどに高評価が寄せられています。
では、なぜこのような賛否両論が起こっているのでしょうか？
私は以下の3つの理由があると考えています。
原作の独自性と映像化の難易度
まず、原作の独自性と映像化の難易度についてです。
原作は、暴力やグロテスクさだけでなく、コミカルさや感動も含んだ多彩な表現を見せています。
また、キャラクターの感情や心理を細かく描写したり、シーンの切り替えやカメラワークを巧みに使ったりして、読者に強い印象を与えています。
特に、デンジやパワーなどの主要キャラクターは、個性的で魅力的であり、原作ファンから愛されています。
しかし、このような原作の特徴をアニメで再現することは容易ではありません。
アニメでは声優や音楽などの要素が加わりますが、それらが必ずしも原作と同じ効果を生むとは限りません。
原作では、デンジの内面や感情の変化を細かく描いていますが、アニメではそれらが省略されたり、表情や声だけで伝えられたりしています。
これは、アニメの時間制限や演出の意図などが影響していると思われますが、原作ファンからはデンジのキャラクターが薄くなってしまったと感じられています。
また、原作では迫力ある構図やカット割りで戦闘シーンや重要シーンを描いていますが、アニメではそれらが再現されていないという指摘もあります。
アニメでは比較的大人しい作画や実写風の演出を取り入れていますが、それらが原作の過激な雰囲気と合わないと感じられるようです。
以上のように、原作の独自性と映像化の難易度は、原作ファンとアニメファンの溝を深める一因となっています。
監督の発言と姿勢
次に、監督の発言と姿勢についてです。このアニメの監督を務めるのは中山竜さんです。
彼は『チェンソーマン』にて監督として初めてマイクを取ったこともあり、彼の発言や姿勢が物議を醸しています。
問題になった発言は、雑誌『日経エンタテインメント！』11月号で行われた中山監督とアニメーションプロデューサー・瀬下恵介さんとの対談で飛び出したものです。
中山監督は「言葉があまりよくないかもしれないですが」と前置きしながらも、「いわゆるアニメを作りたくなくて」「マンガ的なものはマンガで楽しめばいい」「映像だからこそできる、ある種チャレンジングなこと。
単なるアニメでなく、映像作品として大きくしたい」などと発言しています。
これらの発言は、中山監督が自分の作品に対するビジョンやこだわりを語ったものだと思いますが、原作ファンからは不快に受け止められました。
原作ファンは、中山監督が原作を尊重しないで自分勝手にアレコレ変えてしまったと感じたようです。
また、中山監督が「マンガ的なものはマンガで楽しめばいい」と言ったことに対しては、「それなら原作を読んで終わりだよ」という反論もありました。
また、中山監督はSNSでも批判的なコメントに対してブロックしたり、制作スタッフへの応援を呼びかけたりするなど、姿勢にも問題があると指摘されています。
中山監督は自分の作品に対する自信やプライドを持っているのでしょうが、それが原作ファンとの対立を招いてしまっているのです。
以上のように、監督の発言と姿勢は、原作ファンとアニメファンの溝を深める一因となっています。
原作とアニメのターゲット層の違い
最後に、原作とアニメのターゲット層の違いについてです。
原作は『週刊少年ジャンプ』で連載されていることから、主なターゲット層は10代から20代の男性だと思われます。
しかし、アニメはテレビ東京系で深夜に放送されており、その時間帯は主に20代から30代の男女が視聴する傾向にあります。
つまり、アニメは原作よりも年齢層が高く、女性も含む幅広い層に向けて制作されていると言えます。
このことは、アニメの内容や演出にも影響しています。
例えば、アニメではデンジやパワーなどのキャラクターが実写ドラマを意識しているのか勢いが不足していたり、戦闘描写が短めだったり、デンジと早川アキのルーティンのシーンが追加されたりしてエモーショナルに強調されたりしています。
これらは、原作ではあまり見られない要素であり、女性や恋愛好きな視聴者にアピールするための工夫だと思われます。
また、アニメでは暴力やグロテスクさを抑えたり、感動やいわゆるエモさを増したりしています。
これらは、原作よりも年齢層が高い視聴者に合わせた配慮だと思われます。
しかし、これらの内容や演出は、原作ファンからは不満に思われています。
原作ファンは、原作の狂気じみてぶっ飛んでいる雰囲気やキャラクターの魅力が損なわれてしまったと感じています。
また、原作ファンは、原作に忠実に再現されたアニメを期待していたので、アニメオリジナルの要素や変更点に対しても不満を抱いています。
以上のように、原作とアニメのターゲット層の違いは、原作ファンとアニメファンの溝を深める一因となっています。
まとめ
ここまで、私が考えるアニメ『チェンソーマン』が失敗した理由について書いてみました。私は以下の3つの理由があると考えています。
- 原作の独自性と映像化の難易度
- ドラゴン監督の発言と姿勢
- 原作とアニメのターゲット層の違い
これらの理由により、原作ファンとアニメファンの間に溝が生じてしまっています。
私自身は原作もアニメも好きな方なので、両者を比較することなく楽しんでいますが、それぞれに不満や期待がある方も多いと思います。
また個人的意見になりますが、アニメ『チェンソーマン』2期に関してはもう少し原作に寄せた作りにしてもらえれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
【参考文献】
(1) チェンソーマンアニメ微妙でひどい失敗？理由は声優でCGが .... https://katsuu128.com/chainsaw-man-anime-bad.
(2) アニメ『チェンソーマン』は本当に失敗なのか？ 漫画とアニメ .... https://myjitsu.jp/archives/390065?mobile=off.
(3) アニメ『チェンソーマン』大失敗！ コミック＆円盤の売り上げ .... https://myjitsu.jp/enta/archives/113377.
(4) アニメ『チェンソーマン』6話はなぜ叩かれた？ 実はウソだった .... https://myjitsu.jp/enta/archives/114612.
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