【期待からの転落】Z世代がどうしてニートになってしまうのか？
Z世代とは、1995年から2010年頃に生まれた、インターネットやスマートフォンが普及していた時代に育った世代のことです。この世代は、デジタルネイティブと呼ばれ、情報やコミュニケーションにおいて高い能力を持っています。
しかし、一方で、Z世代は、就職やキャリアに関して不安や不満を抱えていることが多く、ニート（Not in Education, Employment or Training）になってしまうケースも少なくありません。
では、Z世代がどうしてニートになってしまうのか、その原因と対策について考えてみましょう。
Z世代のニート化の原因
Z世代がニートになってしまう原因は、大きく分けて以下の3つに分類できます。
1. 働き方や価値観の多様化
Z世代は、働き方や価値観において多様化しており、一律の言い切りが成立しなくなっています。
例えば、「正社員で同じ会社に長く勤めたい」か「フリーランスなど会社に勤めない働き方」かという質問に対して、約半分ずつの回答があることが調査で明らかになっています。
また、「仕事をメインに生活したい」か「プライベートを大事に生活したい」かという質問では、「プライベートを大事に」派が多数を占めています。
このように、Z世代は、自分のライフスタイルや幸せを優先し、使命感を持って働ける仕事を重視しています。
しかし、現実の社会や企業は、彼らの希望に応えられるだけの柔軟性や多様性を持っていないことが多く、その結果、Z世代は不満を抱えて働き続けるくらいなら無職でいたいと考えるようになってしまいます。
2. 経済的・社会的な不安
Z世代は、経済的・社会的な不安を強く感じています。彼らは、バブル崩壊やリーマンショックなどの経済危機や、東日本大震災や新型コロナウイルス感染症などの自然災害や社会問題を目の当たりにして育ちました。
その影響で、彼らは、「日本経済の先行きに不安を感じる」（74.6％）、「老後に生活できるお金をためる自信がない」（64.2％）、「お金があれば幸せになれると思う」（70.2％）という意識を持っています。
また、彼らは、「自分の収入に満足している」（37.7％）という人が少なく、「日本の年収はもっと高くていいと思う」（77.6％）という人が多いことも調査でわかっています。
このように、Z世代は、経済的な不満や不安を抱えており、それが就職やキャリアに対するモチベーションを低下させてしまっています。
3. デジタル機器やサービスへの依存
Z世代は、デジタル機器やサービスに強く依存しています。
彼らは、「スマートフォンやインターネットがないと生きていけない」（73.9％）、「SNSは社会生活の中で不可欠だ」（66.6％）という意識を持っており、スマートフォンの1日の利用時間は「4時間以上」が51％、「8時間以上」が14％にものぼります5。また、「スマートフォン依存など、デジタル機器の使い過ぎを自覚したことがある」も68.5％にのぼります。
このように、Z世代は、デジタル機器やサービスに過度に依存しており、それが現実の社会や人間関係から遠ざかる原因になってしまっています。
デジタル機器やサービスは、情報やコミュニケーションの手段として有用ですが、それだけで満足してしまうと、自分の能力や可能性を伸ばす機会を失ってしまう恐れがあります。
Z世代のニート化の対策
Z世代がニートになってしまう原因を分析したところで、その対策について考えてみましょう。ここでは、以下の3つの観点から対策を提案します。
1. 働き方や価値観の多様化への対応
Z世代が働き方や価値観において多様化していることを受け入れることが重要です。社会や企業は、彼らの希望やニーズに応えられるだけの柔軟性や多様性を持つ必要があります。例えば、以下のような取り組みが考えられます。
- リモートワークやフレックスタイムなど、自分のライフスタイルに合わせた働き方を選択できる制度を導入する。
- 週休3日制や年間休日120日以上など、プライベートを充実させるための休暇制度を整備する。
- フリーランスやパラレルキャリアなど、会社に勤めない働き方を支援するための制度やサービスを提供する。
- 使命感を持って働ける仕事を創出するために、社会問題や環境問題への取り組みを強化する。
2. 経済的・社会的な不安への対処
Z世代が経済的・社会的な不安を感じていることを理解し、その不安を和らげることが重要です。社会や企業は、彼らに安定した収入や生活保障を提供できるだけの経済力や信頼性を持つ必要があります。
例えば、以下のような取り組みが考えられます。
