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古代のSNS:古代ローマ人が日常の出来事やゴシップを共有するために使っていた落書き

ローマ

 

古代のSNS古代ローマ人が日常の出来事やゴシップを共有するために使っていた落書き

 

古代ローマの壁に書かれた落書きは、現代のSNSと似たような役割を果たしていたと言えるでしょうか?ポンペイヘルクラネウムなどの遺跡から発見された落書きは、古代ローマ人の日常生活や思想、感情、文化などを知る貴重な資料となっています。

 

しかし、それらは単に無作為に書かれたものではなく、意図的にコミュニケーションの手段として使われていた可能性があります。

 

 

落書きの種類と目的

 

古代ローマの落書きは、大きく分けて以下の三つの種類に分類できます。

 

  • 公的な落書き:政治的な宣伝や告知、選挙運動などを目的としたもの。専門の業者によって書かれることが多く、フォルムや劇場など人目に付く場所に書かれていた。例えば、「ヘルウィウス・セレルはコンスルにふさわしい。彼は正義と勇気を持っている。彼に投票しよう」や、「明日、剣闘士の試合がある。見逃すな」など。

  • 私的な落書き:個人的な感情や思想、願望などを表現するもの。酒場や浴場、売春宿などで見られることが多く、恋愛や性愛、友情や敵意、宗教や哲学など様々なテーマが扱われていた。例えば、「私はセクンダスに恋している。彼は私を愛してくれるだろうか」や、「アレクサンドロスは盗賊だ。彼は私の財布を盗んだ」など。

  • 芸術的な落書き:絵画や詩などの芸術作品として書かれたもの。技術的な水準は低いものが多いが、創造性やユーモアが感じられるものもある。例えば、「鳥獣戯画」や「カエサルは死んだ。生きているのはカエサリオンだけだ」(カエサリオンはカエサルクレオパトラの息子)など。

これらの落書きは、古代ローマ人が自分自身や他者とコミュニケーションを取るために使っていたと考えられます。公的な落書きは、政治的な主張や情報を広めるために使われました。

 

私的な落書きは、自己表現や感情の吐露、相手へのメッセージや返答などを目的として使われました。芸術的な落書きは、自分の才能や知性をアピールするためや、他者を楽しませるために使われました。

 

現代のSNSとの比較

 

現代のSNSソーシャル・ネットワーキング・サービス)と古代ローマの落書きを比較すると、共通点も相違点も見られます。

 

共通点としては、以下のようなものが挙げられます。

 

  • 両者とも、自分の意見や感情、情報などを他者に伝えるための手段として使われている。

  • 両者とも、様々なテーマやジャンルについて書かれており、多様な人々の関心や価値観が反映されている。

  • 両者とも、書き手の個性や特徴が表れており、時には署名や花押などで自分を識別している。

  • 両者とも、書き込みに対して他者からの反応やコメントが付くことがあり、対話や議論が生まれることがある。

相違点としては、以下のようなものが挙げられます。

 

  • SNSは、インターネットやスマートフォンなどのデジタル技術によって可能になったものであり、時間や空間の制約を超えてコミュニケーションができる。落書きは、壁や石などの物理的な媒体に書かれたものであり、その場所に行かなければ見ることができない。

  • SNSは、個人のアカウントやプロフィールを作成し、自分の好みや関心に応じてコミュニティやグループに参加することができる。落書きは、特定の集団や組織に属することなく、誰でも書くことができる。

  • SNSは、書き込みを編集したり削除したりすることができる。落書きは、一度書いたら消すことが難しいか不可能である。

  • SNSは、書き込みに画像や動画などのメディアを添付することができる。落書きは、文字や絵だけで表現することがほとんどである。

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まとめ

 

古代ローマの壁に書かれた落書きは、現代のSNSと似たような役割を果たしていたと言えます。古代ローマ人は落書きを通して自分自身や他者とコミュニケーションを取り、社会や文化に関わっていました。

 

しかし、SNSと落書きには技術的や文化的な違いもあります。古代ローマの落書きは、現代人にとって興味深く貴重な資料であり、同時に異なる時代や文明のコミュニケーションの方法を知る機会でもあります。